
2016年11月に取りまとめを行った、自由民主党の中古住宅市場活性化小委員会の8つの提言を知っていますか?
中古住宅市場活性化に向けた8つの提言という名目で、中古住宅市場に流通革命を起こし、この先に予想されている空き家を少しでも解消する方法で進められています。
そもそもなぜこの提言が行われたのか?
日本の中古住宅市場には、木造戸建て住宅の場合は建築後20年でその価値が一律にゼロと評価されるなど、中古住宅を適正に評価しない商習慣があること。
さらに、売主と買主間に物件の質に関する情報の違いが存在することで、透明性の低い市場となっているなど、中古市場が活性化されない要因が多数存在するから。
その結果、中古住宅は住宅市場全体の14.7%のシェアしかなく、60%以上もの中古市場が存在する
欧米と比較するとその差が歴然で、改善すべき状況だからです。
しかも今後も少子高齢化社会が進むことで、中古市場の活性化が必須の課題であること、有効利用すべきであることなど、以前より認識されていた状況を改善できないことがその背景にあるんです。
中古住宅市場活性化に向けた8つの提言の項目を紹介すると、
- 「囲い込み」の解消に向けたレインズルールの抜本的改善
- インスペクション等の活用促進による情報の非対称性解消に向けた新たな取引ルールの構築
- 長期優良住宅の普及、一般住宅のリフォーム履歴等の保存・活用
- 担保評価を含む「20 年で一律価値ゼロ」とみなす市場慣行の抜本的改善
- 中古マンションの管理情報の開示
- 不動産総合データベースの構築
- 新たなビジネスモデルとその環境整備
- 増大する空家の市場での流通・活用の促進
徐々に進んでいる感はありますが、まだまだ根本的な解決にはつながっておらず、時間がかかることが予想されます。
ちなみに空き家予測では、平成25年の820万戸から平成35年には1400万戸に激増することが想定されています。
さらに市区町村の空き家対策計画策定はすでに300を超え、特定空き家等に関する助言や指導も6000件を超えているのが現場の話。
しかし先日も地方銀行のアパマンローンの増大や相続税対策のマンション購入やマンション建築など、新築住宅の過剰供給には、まだまだ歯止めがかかっていない状況。
今後、この8つの提言に関して、どのようにすすめていくのか?非常にに大きな期待と注目が集まっていますね。