
空き家対策特別措置法が2015年5月に施行されてから1年余りが経過し、様々な形で空き家活用法が生み出されて来ましたが、鉄道会社による沿線活性化に空き家を活用する取り組みが始まりましたね。
小田急電鉄が10月3日に始めたのが、家賃の前払いによるリノベーションサービス「安心サブリース」の運用です。これはサブリースを前提に将来の賃料収益を前倒しして家主に支払い、そこからリノベーション費用を捻出する方法です。
若い世代は沿線の近くに住みたいと考えますし、鉄道会社としては若い世代に自社の沿線沿いに住んでもらうことで鉄道自体の稼働率も上がりますし、沿線が活性化されればブランド力を維持することにも繋がります。
この背景にあるのが鉄道路線の価値を維持しながら、空き家を賃貸や民泊で活用することで、若年層や訪日客など国内外の人口を沿線に流入させる狙いだと考えられています。確かにその狙いはまちがっていないでしょうが、問題はサブリース契約の透明性でしょう。
自社沿線ということで、ある程度将来の収益性も見た上で物件の判断を行うことになるとおもいますが、入居者が想定通り確保できずにサブリース会社から家賃減額を要求される事例が良く起こっていますので、そのあたりがどうなるのかが非常に重要な事だと思われます。
小田急電鉄もそのあたりの事は理解しているようで、「当面は小田急線およびJR山手線沿線を中心に展開します」という話をしています。まずは収益性ありきの展開を行い、その後判断するということですが、地方への拡大などはまだまだ難しい話でしょう。
でも何もしないで放置して空き家が朽ち果てるよりは良いでしょうし、路線価の維持にも新たな若者世帯の入居はプラスに働くと思います。いずれにしてもこういった新しい空き家対策がどう行われていくのかは目が離せません。
国主導で始まった本格的な空き家活用法、国交省は省エネ住宅の改修だけではなく、建て替えにも補助金を出す方向で進んでいる模様ですし、新たなビジネスチャンスがどんどん広がっていますね。
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