
サブリース契約中の物件を売却したいと考えたとき、「普通の不動産と同じように売れるのか?」「買主にとってのリスクは?」といった不安を抱える方は少なくありません。
サブリース契約(いわゆる家賃保証契約)は、収益物件としての利便性がある一方で、売却にあたっては特有の注意点が存在します。
この記事では、サブリース物件を売却する際に確認すべきポイントや、事前に押さえておくべき注意点をわかりやすく解説しますので、気になっていた人は参考にしてください。
サブリース物件とは?
サブリースとは、不動産オーナーが物件を一括して管理会社(サブリース会社)に貸し出し、その会社が第三者(入居者)に転貸する仕組みのことです。オーナーにとっては「空室リスクが減る」「管理が楽になる」といったメリットがありますが、賃料の減額や契約条件の制約などが伴います。
このサブリース契約が続いている物件を第三者に売却する場合、契約関係がそのまま買主に引き継がれる点が大きなポイントとなります。
サブリース物件の売却前に確認すべき主な事項は?
1. サブリース契約書の内容確認
最も重要なのは、現行のサブリース契約書です。
以下のような点を必ず確認しましょう。
- 現在の保証賃料の額と支払いサイクル
- 賃料の見直し条件(○年ごとの改定、通知期間など)
- 契約期間(普通借家か定期借家か)と解除条件
- 原状回復義務や修繕の責任分担
- 契約の名義変更に関する取り決め
買主側は「利回り」や「管理の柔軟性」に敏感なため、賃料の下落リスクや契約更新条件が厳しい場合、購入判断に大きく影響します。
2. 買主への説明義務(告知義務)
サブリース物件の売却では、買主に対して「現契約の存在と内容」をしっかり説明(告知)する義務があります。これを怠ると、契約成立後にトラブルや損害賠償問題に発展する可能性があります。
購入後に「自由に賃貸経営ができると思っていたが、実際は家賃が下がり続けていた」「サブリース会社の解約が困難だった」といった苦情は、後を絶ちません。契約書類一式を事前に開示し、理解・納得を得た上で売却することが必須です。
3. サブリース会社への通知・承諾が必要な場合も
契約によっては、オーナー変更に伴う名義変更や通知義務が発生するケースがあります。なかには「サブリース会社の承諾が必要」と定めている条項もあるため、勝手に売却を進めてしまうと契約違反になるリスクがあります。
早い段階でサブリース会社に売却の意向を伝え、必要な手続きを確認しておくことが重要です。
サブリース物件売却時のポイントと対策は?
買主ターゲットを「投資家」に絞るとスムーズに売りやすい
サブリース物件は、実需(自宅利用)ではなく投資目的での購入に向いているため、個人投資家や法人に向けた売却戦略が有効です。
「現在の家賃収入」「表面利回り」「管理の安定性」など、収益性に焦点を当てた資料を用意することで、購入検討者の判断がしやすくなります。
リーガルチェックを受けるのも有効的である
契約内容が複雑でよくわからない、法的なリスクがあるか不安という場合は、弁護士や不動産専門家にリーガルチェックを依頼するのも有効です。重要事項説明書に記載する内容にも関わるため、専門家の助言は後々のトラブル予防につながります。
売却価格はやや抑えめに見積もるのが現実的になる
サブリース物件は、自由度が低い=投資家にとってはリスク要因と見なされやすいため、通常の収益物件と比較して価格が下がる傾向があります。
特に「家賃減額通知が来ている」「解約が難しい」などの制約が強い場合は、期待価格よりも低めに設定することで早期売却につながることもあります。
まとめ:サブリース物件を売る際には透明性ある情報開示と契約確認が成功のカギになる
サブリース物件の売却は、通常の不動産売却と比べて**「契約関係の複雑さ」や「買主への説明責任」が重くなる**のが特徴です。しかし、契約内容をしっかり確認し、透明性のある情報提供ができれば、投資家にとっては安定した収益物件として十分魅力的に映ります。
- 売却をスムーズに進めるためには、
- 現行契約の把握
- 買主への適切な告知
- サブリース会社との調整
- 投資家目線での資料整備
といった事前準備が欠かせません。
「見えないリスク」を排除して、納得のいく売却を実現するためにも、プロのアドバイスを受けながら丁寧に進めていくことをおすすめします。













