
中古マンションを選ぶ際に多くの人は立地や価格、間取り、室内のリフォーム状況に目が向きがちです。
しかし実際の満足度を左右するのは「買った後にどれだけ安心して住み続けられるか」。
その鍵になるのが、管理組合が作成する中期修繕計画(一般には長期修繕計画の中で、今後10年程度の修繕予定が具体化された部分)です。
ここを確認せずに購入すると、思わぬ出費や資産価値の下落につながるリスクがありますので、そのあたりの情報を整理して紹介したいと思います。
そもそも中期修繕計画とは?
マンションは、外壁・屋上防水・給排水管・エレベーターなど、時間とともに必ず劣化します。中期修繕計画は、こうした共用部分の修繕を「いつ・何を・どの規模で」行うかを整理したものです。住戸内のリフォームと違い、共用部の状態は個人でどうにもできません。つまり、購入者にとってはマンション全体の健康診断表のような存在です。
中期修繕計画をチェックしない主なリスクは?
1)購入直後に追加徴収が来る可能性がある
もっとも多い後悔がこれです。修繕積立金が足りない、または大規模修繕が迫っているのに積立が追いついていない場合、管理組合は一時金(臨時徴収)を求めることがあります。購入後すぐに数十万円単位の請求が来れば、家計へのダメージは大きく、「こんなはずじゃなかった」となりやすいです。
2)修繕積立金が段階的に値上げされることがある
中古マンションでは、当初の積立金が低く設定され、築年数の経過とともに上げていく方式が少なくありません。中期修繕計画を見れば、今後の修繕費と積立の見通しから、値上げの現実味を判断できます。これを確認しないと、数年後に毎月の固定費が増え、ローン返済と合わせて負担が重くなる恐れがあります。
3)やるべき修繕が先送りされ、建物が傷む
修繕計画が甘い、または合意形成ができず先送りが続くと、外壁の劣化や防水不良、鉄部の腐食などが進行しやすくなります。結果として修繕費が余計にかかり、住み心地も悪化します。エントランスや廊下の劣化は見た目にも出るため、資産価値を下げる要因にもなります。
4)給排水管・エレベーター更新の重い負担を見落とす
大規模修繕(外壁・防水など)だけでなく、築年数が進むと、給排水管更新やエレベーター改修など、費用規模が大きい工事が現実になります。これらは住戸内に影響が出ることもあり、生活に直結します。中期修繕計画を見ないと、「いつ大きな工事が来るか」を把握できず、購入判断を誤りやすいです。
5)売却時に買い手がつきにくくなる
購入時だけでなく、将来の売却にも影響します。修繕計画が不透明、積立金不足、修繕が滞っているマンションは、購入検討者から敬遠されがちです。金融機関の評価や、購入者側の不安材料にもなるため、結果として価格交渉で不利になったり、売却期間が長引いたりする可能性があります。
6)管理組合の運営状態の地雷に気づけない
中期修繕計画は、単なる工事予定表ではなく、管理組合が機能しているかを測る材料でもあります。計画が古いまま更新されていない、見積もりや合意形成が進まない、議事録に揉め事が多いなどは、将来トラブルの兆候です。計画を確認しないと、「管理が弱いマンション」を見抜きにくくなります。
購入前に最低限チェックしたいポイント
中期修繕計画を見る際は、以下を押さえると判断しやすくなります。
- 今後10年で予定されている工事内容(外壁・防水・設備更新など)
- その工事に必要な概算費用と、積立金残高のバランス
- 修繕積立金の値上げ予定(段階増額の有無)
- 直近の大規模修繕がいつ実施されたか、次回はいつか
- 計画が更新されているか(古すぎないか)
可能なら、長期修繕計画書に加えて、総会議事録や収支報告書も合わせて確認すると精度が上がります。
中古マンション購入時に中期修繕計画をチェックしないリスクに関するまとめ
中古マンションは「室内がきれい」でも、マンション全体の修繕体制が弱いと、住み始めてから負担が増えたり、資産価値が下がったりします。
中期修繕計画をチェックすることは、将来の出費とリスクを見える化して、後悔を減らすための必須作業です。
価格や間取りだけで決めず、「このマンションはこれからも維持できるか?」という視点で確認することが、満足度の高い購入につながります。













